外来 口腔外科 入院中に抜糸をする。そしてそのリスク

左の奥歯から二番目を抜糸しました。

根本に炎症をかかえていた歯なのでステロイド治療の副作用のひとつに、骨粗しょう症ステロイド骨粗鬆症)があります。つまり、骨がもろくなり(骨密度が減少し)、圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などが起こりやすくなります。

そして予防薬として骨を守る薬(ビスホスホネート薬)を内服します。

そのビスホォスフオネート系製剤使用時のリスクは下記の引用になります。

原因はまだ分からないけど見たいですね。

1.骨粗しょう症(ビスフォスフォネート系製剤)
ビスフォスフォネート系製剤(以下BP製剤)は、骨粗しょう症やがんの骨転移などに対し非常に有効なため、多くの方々に使用されています。しかし、最近、BP製剤使用経験のある方が抜歯などの顎骨に刺激が加わる治療を受けると顎骨壊死が発生する場合があることが分かってきました。海外での報告では、抜歯を行った場合、骨粗しょう症で、BP製剤の内服をしている患者さんでは1000人中1~3人、悪性腫瘍に対して使用されたBP製剤の注射を受けている患者さんにおいて100人中6~9人の方に顎骨壊死が生じたと報告されています1,2。顎骨が壊死すると、歯肉腫脹・疼痛・排膿・歯の動揺・顎骨の露出などが生じます。がん患者さんの骨病変に用いられる新たな治療薬としてヒト型抗体製剤であるデノスマブが2012年承認されましたが、BP製剤と同頻度で顎骨壊死が起こるとの報告があり3、併せて注意が必要です。

BP製剤を使用している患者さんで、歯科受診時に注意が必要な処置は以下のものがあげられます。

(1)顎骨に侵襲の及ばない一般の歯科治療(歯石除去・むし歯治療・義歯作成など)
顎骨や歯肉への侵襲を極力避けるよう注意して歯科治療を行います。治療後も義歯などにより歯槽部粘膜の傷から顎骨壊死が発症する場合もありますので、定期的に口腔内診査を行います。

(2)抜歯・歯科インプラント・歯周外科など顎骨に侵襲が及ぶ治療

1)
内服期間が3年未満でステロイド薬を併用している場合、あるいは内服期間が3年以上の場合は、BP製剤内服中止可能であれば、一般的には手術前少なくとも3カ月間はBP製剤の内服を中止し、手術後も骨の治癒傾向を認めるまではBP製剤は休薬していただきます。
2)
顎骨壊死の危険因子(糖尿病、喫煙、飲酒、がん化学療法など)を有する方もBP製剤内服が中止可能であれば、手術前少なくとも3カ月間はBP製剤の内服を中止し、手術後も骨の治癒傾向を認めるまではBP製剤は休薬していただきます。
3)
BP製剤内服期間が3年未満で危険因子のない方に対しては、通常のごとく口腔外科手術を行います。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

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標準口腔外科学 第4版 (STANDARD TEXTBOOK)

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