急性尿細管間質性腎炎

急性型は,しばしば数日~数カ月で発症し、急激に腎機能が低下していきます。

原因は?
ほとんどは、薬剤の副作用やアレルギー性の薬物反応や感染症です。抗菌薬や非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)などを使用したときに起こります。また、急性腎盂腎炎などの感染症膠原病の合併症として起こる場合やブドウ膜炎を伴う腎眼症候群も起こることもあります。

症状は?
発症は、毒物への最初の暴露後数週間または2度目の暴露後3~5日の可能性があります。潜伏期間は 1日(リファンピン)から18カ月 (NSAIDs)とさまざまです。

① 発熱、湿疹、関節痛など(アレルギー反応の場合) 

② 腎臓の腫大による腰痛 

③ 多尿と夜間頻尿(尿濃縮力の低下ならびにNaの再吸収の低下によります)。

検査所見は?
血清クレアチニン値の上昇が認められます。IgEや好酸球数が増加することがあります。尿検査では、蛋白尿は軽度(1g/日以下)で、白血球尿が認められます。また尿細管性蛋白尿(β2ミクログロブリン)や尿細管の酵素であるNAGの増加が認められます。

診断は?
病歴、身体診察、臨床検査および画像診断に基づきます。腎生検により確定診断されます。

治療は?
原因となっている病気の治療を行います。
薬剤が原因の場合は、薬の投与を中止して腎機能の回復を待ちます。アレルギー反応などの免疫が関与している場合は,炎症を抑えるためステロイド薬を用いることもあります。病状が進行して腎不全となるような場合には、血液透析治療を一時的に導入することがあります。

経過・予後は?
早期に原因を除くことができれば、腎機能は正常に回復します。